眠り姫の唇


「私以外に、もうそんなことしたらダメなんですからね。」


「するかよ。」



「まぁ、今回はGODDOのベイクドチーズケーキで許します。」


そう言って、二人はクスクス笑った。






「…好きですよ。岩城さん。」



「瑠香。」




濃厚なキスを降らせながら、岩城も溺れるように囁く。




「好きだ。瑠香。」



また欲しかった言葉を貰って、瑠香は喜びの涙を何度も流した。



好きです。



好きです。



多分何度伝えても、全部伝わらない。



だから、私達は何百回もキスをして、身体を重ねる。





好き。




好きなんです。





「もう泣くな。」



「だって…っ」



岩城からのキスを受け止めながら、瑠香はまた瞳を閉じた…--。








【2012.08.06】

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