眠り姫の唇
PV数100万越祝い!

【番外編3】


「お前だけなんかズルいな。」

「へ、何がですか?」


瑠香は食器を片付けながら、岩城の渋い顔を横目で見た。


隣でスポンジを握る不機嫌な長身男に瑠香はもう一度訪ねる。

「…。」


「だから、何がです?気になるんで最後まで言って下さい。」

ふきんを右手に持ち替えながら瑠香は岩城の顔を覗きこんだ。

「…俺はお前の嫌いな物を知らない。」


ブスッと拗ねたように呟く29歳の男に、瑠香は「あー…」と言葉を濁した。


なんだ、食べ物の話か。


さっきも岩城がカリフラワーを食べれない事が発覚したばかりだ。


しかし今のところ瑠香の嫌いなものは岩城に一つもバレていない。


まぁ、それはそうである。わざわざ自分の嫌いなものを作って出す奴がいるだろうか?瑠香も例外ではない。





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