眠り姫の唇

失敗したかもしれない。


既にこの時点で瑠香は後悔し始めていた。


思い出すだけで震えてしまう唇にそっと手をやる。

岩城のあの口調だと、この関係はおそらく期間限定。


それなのに、


…イヤな予感が止まらない。




「(絶対、ハマっては駄目よ。私。)」




出来るだけ彼の事は考えないように、瑠香は改めて資料に目を通した。

















『何時にあがる。』



そんなメールが来たのは、午後4時の事だった。




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