眠り姫の唇
「岩城さん私これにチャレンジします。よしっ見ててくださいね…」
そう狙いを定めると、瑠香はハンターの目に早変わりした。
ウイーン
ウイーン
ガシャン
「…。」
「下手くそ。」
見事に大きな猫のぬいぐるみを空振りし、アームだけあっさり帰ってきた。
「…今のは練習デス。」
そういってまたチャレンジするも、アームは猫の首元を掠め、少し揺れただけで終わってしまった。
「下手くそ。」
「…ま、まだまだデスよ。」
「ちょっとまて。」
小銭を入れる手を掴まれ、岩城がぐぐっと身体を寄せてきた。
真横に岩城の喉仏があって、瑠香は少しドキッとする。
「とりあえずお前はギャンブルを一生するな。」
そういい、自分の小銭をチャリンと入れて岩城はアームを動かす。
ウイーン
グッ
ウイーン
ドカンッ
「わーっ!」
岩城は見事に猫のぬいぐるみの首輪にアームを差し、そのままゴールに持ってきた。
「なんですかなんですか岩城さん。実はやりこんでたんですね。そういうのは早く言って下さいよ。」
少し興奮しながら瑠香はぺしぺし岩城をはたく。