愛してんで
次の日
柚臣「「おはよう」」
奏「おはよう。ご飯、出来てんで。」
2人の目に飛び込んで来たのは、奏の両耳と右手首に輝く、蝶のモチーフのピアスとブレス。
それは、帰って来てから、ごみ箱に捨てたプレゼント。
柚「奏、お前っ。」
臣「何で…?ピアスの穴、開いてなかったやん…」
奏「あぁっ、これっ。昨日の夜中に、隆太に開けてもろた。かわいいやろ。」
ニッコリ笑う奏に、詰め寄る。
柚「痛かったやろ…?」
奏「何で…?」
臣「何で…?って、お前っ…」
奏「痛い訳ないやん。2人の気持ちが籠もってるもん。大切な物やん。これが、私の繋がりやねんで。」
ニッコリ笑う。
臣「まったく…」
柚「お前ってやつは…」
柚臣「「最高やっ」」
少し涙を浮かべて、少し照れ臭そうに、奏を抱き締める。
穏やかな時間。
庭の木々は、ほんのりと赤く色付き、風に揺られていた。
優しく微笑む様に…