愛してんで
燿「りゅー、これ。ママがりゅーにわたしなさいって。」
燿は、鞄の中から封筒を出すと、隆太に手渡した。
[隆太へ
突然の事で、驚いているでしょう。
暫くの間、燿と潤を預かって欲しいんです。
訳は、2人を迎えに行った時に話します。
無理を承知で、お願いします。
頼めるのは、隆太しか思いつかなくて。
2人の事、よろしくお願いします。
千里]
昂「何やって…?」
隆「2人を、暫く預かってくれって。」
隆太は、手紙を封筒に戻すと、深い溜め息を付いた。
奏「しょうがないんやない?隆太の幼なじみが、無責任な事するとは思わんし、待っててあげようや。」
臣「せやなぁ。よし!!お兄ちゃんが、遊んだるでぇ~」
柚「よっしゃ!!何して遊ぶ?」
潤「ウルトラマンごっこ!!」
平「よしっ!向こうで遊ぼう。」
綾「燿ちゃんは、何して遊ぶ?」
燿「う~ん?じゃあ、おえかきしたい!」
大「俺、部屋から紙とペン持って来るから待ってて。」
佳「じゃあ、俺は画鋲を持って来よう。」
それぞれが、燿と潤と遊ぶ約束をして、散らばって行く。
昂「奏、俺らは、ご飯作ろか?」
奏「せやなぁ。何しよ?」
昂「オムライスとスープとサラダでえぇやろ?ケチャップ掛けんと、あの子らに掛かせたらえぇやん?」
隆「みんな…」
隆太は、不安げに周りを見渡した。
昂「お前が、そないな顔して、どないすんねん。千里さんの事、信じて待つしかないやろ。」
奏「千里さんが、迎えに来るまで、私らで2人を守ったろ。」
隆「そうだよな…みんな、ありがとう。」
奏「隆太も、料理作るの手伝ってや。」
3人は、キッチンで夕食の準備を始める。
最初に泣いていたのが嘘かの様に、笑い声が響いていた。