愛してんで
大「毛布、持って来た。」
隆「悪いな。ありがとう。」
大貴は、2人に毛布を掛けると、ダイニングチェアに座り、食後のコーヒーを啜る。
みんなは、それぞれ好きな飲み物を飲みながら、隆太を見つめる。
柚「千里さんと、連絡取れへんの?」
隆「携帯に掛けたけど、電源切れてた。」
また、深い溜め息を付く。
佳「大人の事情ってやつだろ?千里さんが来るの、待つしかねーだろ。」
昂「とりあえず、あと少しで冬休みやから、それまで交代で面倒見るしかないやろ。」
奏「今、おばちゃん居らんし、それしか無いなぁ。」
隆「みんな、迷惑掛けて…ごめん。」
隆太は、深々と頭を下げた。
臣「あほかっ!!誰も迷惑なんて、思うてへんわ。」
佳「そうだよ。あんまり、気にすんなよ。」
綾「あの子達、千里さんと離れて、淋しい思いしてるハズだから、俺らで笑顔にしてやんなきゃ。」
昂「明日は、お前と奏が休んだらえぇ。その方が、安心するやろうから。」
奏「分かった。大貴、明日ショーへーに言うといてな。」
大「分かった。」
隆「みんな、本当にありがとう。これから、よろしく頼むわ。」
隆太は、また深々と頭を下げると、みんな笑って、力強く頷いた。
隆「じゃあ、悪いけど、あいつら連れて、先に寝るわ。」
隆太は、2人を起こすと、ダイニングルームを出て行く。
奏昂柚臣綾佳大平
「「おやすみなさい」」
そう告げると、小さな手がヒラヒラと、2つ空を舞った。
柔らかく優しい夜は、静かにふけていった。