愛してんで


2時間後……


奏「なっ…なんやねんっ!!何でやねんっ!!」


両手いっぱいに、買い出し食材を持った奏の両肩は怒りに震える。


奏の肩越しに、リビングを覗き込んだ隆太と昂は、呆気にとられた。


リビングはビシャビシャ、キッチン回りはベタベタ、その中心にドロドロになった掃除メンバー。


柚「かっ…かなでちゃん…?」


臣「こっ…これには…わけが…」


奏「こっ…こぉんの…クソッボケがぁー!!お前らなんか、もう知るかぁーっ!!1回、死んだらえぇねんっ!!」


買い出し食材を投げつけ怒鳴りつけた奏は、自分の部屋に向かい、扉を思いっ切り閉めた。


昂「何があったん…?」


隆「奏が怒るのも、無理ないわ…。」


綾「だって、臣が…」


臣「何やっ!俺のせいにするんかっ!元は、柚が…」


柚「はぁ?!ちゃうやん!だいたい佳康が…」


佳「俺かよっ!平良だろっ!」


平「俺、被害者じゃん。大貴が…」


大「俺っ?綾だろっ…」


綾「ふざけんなよっ!年上組だろっ…」

それぞれ、互いに責任の擦り合いを始める。


昂「誰のせ…」


奏「うるっさいんじゃっ!!クソッボケ軍団っ!!」


部屋からの怒鳴り声が、リビングまで届く。


隆「マジで切れてるよ…奏。ここ片付けないと、飯食えねーし。奏の機嫌も治らないと…」


隆太が腕まくりして、雑巾を拾う。


《《バシッ!!》》

柚「いった…」


柚「あだっ…」


昂「お前らが悪い。」


昂も腕まくりをして、スポンジを取り出す。


シュンと落ち込む掃除メンバーも、それぞれ道具を拾い上げ、片付けを始めた。

時計の針が刻む音が、大きく響いていた。



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