愛してんで


奏「…んぅ……くらっ……寝ちゃったのか……」


部屋の中は暗く、手探りで携帯を探す。

奏「……んー、今は……はぁっ?!22時半っ!!あかんっ!!ご飯、作らなっ!!」


ベッドから飛び起き、リビングまで走る。


リビングは暗く、物音1つしない。


《パチッ》


奏「うわぁぁぁ!!何してん?!」


リビングのど真ん中にある塊が、灯りが点いたとたんに、モゾモゾと動き出す。

柚臣綾平大佳
「「ごめんなさい」」


部屋のど真ん中にちょこんと座り、しょぼんと頭を下げる男達。


その姿が、ちょっぴり愛しくなって、頬が緩む。


昂「奏が来るまで待ってるんやって。」

隆「ずっと奏が起きるの、待ってたんだよ。」


隆太と昂が、奏の肩をポンと叩く。


奏「ご飯、食べよっか。」


その言葉に、しょぼんとした顔が、笑顔になった。


柚「奏は、座っててえぇんやで。」


綾「今日は、俺らが作るし。」


奏を椅子に座るように促すと、6人はキッチンへと消えて行く。


奏の隣りには、昂と隆太が座りフフッと笑う。


あんなにグチャグチャだった部屋は、見違えるほど綺麗になり、懸命に掃除をした事が想像出来、可笑しくなった。



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