愛は魔法を超えるかも☆
電車に揺られて、随分遠くまで来た。

水越大地は挙動不審。

私に怯えているのか?、

これから行く場所に怯えているのか?

ビアンと名乗る美女は、

言葉の後ろににゃを付ける変わった人。

本人は自分は猫だと自己紹介し、

80歳になったところだと言う。

頭のネジが外れているのか、本当のことなのか?

まあ、それはどうでもいい。

とにかく、このビアンが言うには

水越大地の父親が、

この事態を、収めてくれるというのだ。

もう、それにすがるしかないと

嫌がる水越を引っ張って電車でここまでやってきた。

「ここにゃ。」

建物がろくに立っていない、辺鄙な駅でで私たちは、降りた。

無人駅だったため車掌さんに切符を渡し、

ぞろぞろと歩いていくと。

目の前を歩いていたビアンがくるりんと回って

ポン、と音をさせて黒猫になった。

「ま、マジ?」




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