愛は魔法を超えるかも☆
「わかったよ。」

俺は彼女の顔の上に手をかざして呪文を唱える。

一字一句間違えないように慎重に、

未来見ドロップは時間移動をするために使う錠剤を、作るときの副産物。

自分の未来も、人の未来も見ることができる。

うまく使えば、危ない橋を渡らずに欲しい未来を探すことができる。

普通は魔法使いがアドバイスをするために自分自身で使う。

俺も何度も自分で試して、そして失敗した。

失敗する度に、ビアンが迎えに来て、戻った嫌な記憶が蘇る。

もしこれが成功なら、記念すべき第一回目となる。

ポウッっと彼女の前頭葉の部分に七色の光が点滅する。

今頃彼女は、夢を見るように意識下で

10年分の未来を早送りで体験しているはずだ。

「やれば出来るじゃないか、お前も一緒に見るといい。出来るか?」

「ああ、そばにいてやりたいから。」

彼女のおでこに手のひらを当て、

彼女の中で流れる映像を受信する。



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