愛は魔法を超えるかも☆
何もかかわらなかった未来。

つまり、本来彼女が通るべき未来。


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「どうしてなの?」

「ごめん。」

「ごめんて。ずっと付き合ってきたのに?」

「お前の気の強いところすごく好きだったんだけど、

 やっぱ癒されたいんだよ。

 結婚はできない。」


3年後、純玲さんは、板倉凪斗と別れることになったらしい。


傷を癒すために訪れた北海道で、

雪山に登って遭難した

けれど助かって、

山岳救助隊の手伝いをして過ごすようになる。


10年後も、結婚はしていないようだった。

これが彼女の本来送るべき人生10年分。


ぱちり。

目を開いた彼女は、

「何かの間違いだわ。」

そう言って起き上がった瞬間に

ほろりとこぼれ落ちた涙を、

片手でゴシゴシとこすった。




 
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