もう一度、恋鎖
小屋から覗き込む窓には雨が叩きつける。
容赦なく
叩きつける。
残酷なように
叩きつける。
『雨は綺麗ね』
後ろからか細くて雨にかき消されるような声が聞こえた。
『どうして綺麗だと思うんだい?』
『雨はみんな一緒に落ちてくるもの。一人なんかじゃないわ。だから、綺麗』
そう言って消えてしまいそうな笑顔を俺に向けた。
俺は何だか泣きたくなった。
でも、窓の方に顔を向けこう言った。
『そうだね。綺麗だ…』