センセイと一緒【完】
鈴菜は慌てて言った。
まだ、心の中がぐちゃぐちゃで整理ができてないのだ。
直樹に気持ちを伝えるにも、まだそこまでの覚悟ができていない。
ぐっと押し黙った鈴菜を和泉はしばらく心配そうに見ていたが、やがて諦めたように口を開いた。
「……わかったよ。もうちょっと、考えてみたらいいんじゃない?」
「和泉……」
「鈴の心が決まったら、また相談に乗るよ。それでいい、鈴?」
「うん。ありがと、和泉」
和泉の声が鈴菜の心を落ち着かせていく。
いつでも和泉は鈴菜の傍で、鈴菜の悩みを聞いてくれた。
東京にいる間も電話でいろいろな相談に乗ってくれた。
……大切な親友。
鈴菜は和泉に心から感謝した。