センセイと一緒【完】
木曜の2限目。
鈴菜は生物の教科書に向き直っていた。
今月はテストはないが、来月は期末テストがある。
そろそろ、勉強に本腰を入れなければならない時期だ。
……なのに。
鈴菜はちらりと隣に座る直樹を見た。
直樹は真剣な顔で柊史の話を聞いている。
……その、真剣な横顔。
見ているだけで胸がドキドキする。
「……森下」
「……」
「森下っ!」
柊史の声が飛ぶ。
鈴菜はびくっと背筋を伸ばし、慌てて前を見た。
「オレの授業中によそ見とは、いい度胸だな?」
柊史はうっすらと笑い、教壇の上から鈴菜を見る。