センセイと一緒【完】
鈴菜は本を抱え、尚哉の後ろを歩いていた。
傾きかけた陽が廊下に影を落とす。
……と、その時。
「……っ!」
鈴菜は窓の外を見、息を飲んだ。
校門のところに直樹の姿が見える。
……見間違えるはずもない。
そしてその横には、長い黒髪の女の子の姿が見える。
「……」
鈴菜は目を見開いた。
直樹は女の子の隣を歩きながら何かを話しかけている。
……その楽しげな表情。
鈴菜は胸が引き裂かれるような気がした。
まさか。
……彼女、なのだろうか。