センセイと一緒【完】
夜。
鈴菜は自室のベッドの上で膝を抱えていた。
涙に濡れた瞳を、膝に押し付ける。
「ちょっとどうしたの、鈴菜?」
いつもと違う妹の様子に、姉の春菜が心配そうに声をかける。
鈴菜は顔を上げ、姉を見た。
「……なんか失恋しましたって顔ね」
「……」
図星だ。
再び涙を滲ませる鈴菜に歩み寄り、春菜はベッド脇の椅子に座った。
春菜は鈴菜とよく似た顔立ちだが、母譲りの丸い目をした鈴菜に比べ、春菜は父譲りの切れ長の目をしている。
その切れ長の目を細め、春菜は口を開いた。
「告白してフラれたの?」
「ううん。告白する前に、彼女がいるってわかって……」