センセイと一緒【完】
2.Black~生物教師
現国の授業の後。
教科書とノートをしまおうとした鈴菜に、直樹が声をかけてきた。
「ねえ、森下さん」
「え?」
「今日か明日か、どちらかでいいんだけど。放課後、空いてる?」
直樹の言葉に鈴菜は首を傾げた。
怪訝そうな顔をする鈴菜に、直樹は少し笑って言う。
「そろそろ学級新聞を作ろうかと思ってて。本当は武田と作る予定だったんだけど、あいつ、風邪で休んでるからさ」
「……確かに武田君、このところ休んでるよね」
「で、確か森下さんも学級委員だったなーって思って。もし時間あれば手伝ってくれないかな?」
直樹の言葉に、鈴菜はしばし考えた。
学級委員はクラスに4名おり、授業開始時の号令や学級新聞の作成などを行っている。
2年B組は直樹が学級委員長で、武田くんと宮城さん、そして鈴菜が学級委員の役についている。
9月の初めに委員決めをしたとき、保健委員や風紀委員など他の委員は早々と決まってしまい、残っていたのが学級委員しかなかった。