センセイと一緒【完】
鈴菜はふるふると首を振った。
恋だと自覚してから3日で失恋。
過去最短記録だ。
「えー、別に彼女がいても告白するのはいいんじゃないの?」
「……」
「……ってアンタはそういうタイプじゃないか……」
はぁと春菜は息をつく。
「まぁ、あともう少ししたら冬休みだし。それまでちょっと、辛抱しなさいな」
「うん……」
「男なんてこの世に星の数ほどいるんだから。一度や二度の失恋でメゲてちゃダメよ?」
姉の言うことはもっともだ。
けれど。
……今は何も考えられない。
でも、とりあえず……
和泉にだけは報告しておいた方がいいだろう。
鈴菜は涙をぬぐい、携帯を片手にベランダに出た。