センセイと一緒【完】
『ええっ、失恋!?』
鈴菜が報告すると。
和泉は案の定、驚いたような声を返してきた。
『なに? どういうことなの、それ?』
「今日、笠原君が彼女と一緒に校門の前にいるのを見ちゃって……」
鈴菜の言葉に、和泉は電話越しに息を飲んだ。
……そして、しばしの沈黙のあと。
和泉が低い声で話し始めた。
『……それさ、本当に彼女なの?』
「えっ?」
『あたしは現場を見てないから何とも言えないけど……。あいつが彼女って、なんか信じられないんだけど』
「……でも今日、見たの。彼女と楽しそうに歩いてた……」
『……』
和泉は電話越しに何か考えているようだったが、やがて再び話し始めた。