センセイと一緒【完】
「……お前、そんなことにかまけている場合か?」
「……っ、先生……」
「来年は受験だ。そんなことに神経を使う暇があったら、もっと勉強しろ」
柊史の言葉が鈴菜の心に刃のように突き刺さる。
……柊史の言葉は正しい。
このままでは第一志望の大学になど受からない。
それはわかっている。
けれど……。
鈴菜はぐっと手を拳に握りしめた。
目尻にじわりと涙が浮かぶ。
「……」
鈴菜の表情を見た柊史の瞳がはっとしたように見開かれる。
その瞳から鋭さが消えていく。
やがて柊史は腕を上げ、鈴菜の頬にそっと手を伸ばした。