センセイと一緒【完】
「悪い、言いすぎた」
「……っ」
鈴菜は頬に触れる指の感触に、そっと顔を上げた。
……見ると。
柊史の瞳から鋭さが消え、気遣うような優しさがある。
鈴菜はその瞳を見、さらに目が熱くなるのを感じた。
「……森下」
耳に心地よい、ハスキーなバリトンの声。
潤んだ視界の中、柊史は囁くように言った。
「……泣くな」
「……」
「何かあれば、オレに相談しろ」
「……っ、先生……」
「勉強のことでも、それ以外でもいい。オレはお前の担任だ。生徒の悩みの相談に乗るのも、オレの仕事だ」