センセイと一緒【完】
柊史は鈴菜の涙を親指でぬぐい、そのまま鈴菜の頭をくしゃっと撫でた。
……大きな温かい手。
ふわりと香るオリエンタルなホワイトムスクの香り。
鈴菜はぐいと目元をぬぐい、柊史を見た。
柊史はいつもの艶やかな黒い瞳で鈴菜を見つめている。
「……先生」
「なんだ?」
「すみませんでした。……私、もっと勉強頑張ります」
鈴菜はぺこりと頭を下げた。
……泣いたせいか、ちょっとすっきりしたような気がする。
来月からは頭を切り替えて勉強に専念しよう。
鈴菜は決心し、進路調査票をじっと見つめた。