センセイと一緒【完】
2.輝く蝶
<side.柊史>
鈴菜が進路指導室を出た後。
柊史は大きなため息をついた。
机に片肘をつき、目元を覆う。
――――あんなことを言うつもりではなかった。
担任失格だ。
鈴菜を傷つけた後悔が胸に広がる。
鈴菜が笠原を好きだと、はっきりわかった瞬間……
黒いものが胸を覆い、それは止める間もなく鈴菜に向かってしまった。
なんとなく、鈴菜が笠原のことを好きだというのは気付いていた。
それは担任としての勘とでもいうのか。
しかし明確にわかっていたわけではなかったため、あまり考えていなかった。
というより、考えたくなかった。