センセイと一緒【完】
12月下旬。
冬休みを三日後に控えた日の放課後。
鈴菜は歴史研究部に参加していた。
といっても今日は年内最後の活動日で、『忘年会』という名目のボーリング大会だ。
歴史研究部でも打ち上げや忘年会はある。
高校生なのでだいたいカラオケやボーリングだが、少人数で和気藹々と楽しめるので、あまりそういったことが得意ではない鈴菜も毎回参加している。
「えっとじゃあ、今回は2人ずつのペアで対抗戦にしましょうか~」
部長の松井さんの提案に、部員はみな頷いた。
松井さんは鈴菜と同じ2年で、尚哉が担任を務めるD組に所属している。
ちなみに尚哉もボーリング場に来てはいるが、あくまで引率の立場で、毎回ボーリング大会には参加していない。
「じゃあいくよー、じゃんけん、ぽん!」
部員はちょうど6人なので、2人づつに分かれると3チームできる。
鈴菜は1年の柴山さんとペアになった。
柴山さんは茶髪の髪をおさげにし眼鏡をかけた女の子で、世界文学に興味を持ちこの部活に入部したらしい。