センセイと一緒【完】



「森下先輩、よろしくお願いします!」

「ごめんね柴山さん。私、ボーリング下手なの……」

「いいんですよ! あたしも下手ですから! 楽しみましょう~」


にこにこ笑いながら柴山さんは言う。

いい子だな、と思いながら鈴菜は投球場所であるアプローチに入った。

椅子に荷物を置き、レーンを見る。

今は点数も全て自動計算になっており、頭上のモニターに点数が表示される。


「では10投で勝負しましょう! よーい、スタート!」


松井さんの掛け声とともにゲームがスタートした。

鈴菜と柴山さんは交互にピンに向かってボールを投げていく。

しかしボールの持ち方が悪いせいなのか、2本に1本はガーターになってしまいなかなか点数が出ない。


「なんか、まずいよね、私たち……」

「そうですね……」


鈴菜と柴山さんは3投終わったところで青ざめて顔を見合わせた。

他の2チームと比べて明らかに点数が低い。

というか他のチームの半分ほどの点数しか出ていない。


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