センセイと一緒【完】
鈴菜は慌てて言った。
にこりと笑い、ぽんと柴山さんの肩を叩く。
「早く帰ってあげて。ね?」
「本当にすみません、森下先輩!」
ぺこりと頭を下げて柴山さんはボーリング場を出ていく。
鈴菜は呆然とその背を見つめていた。
この時期、インフルエンザに罹るのは仕方がない。
けれど。
鈴菜はスコア表を見上げた。
なんだかもう、いろんな意味で絶望的だ。
と、その時。
「おや? 柴山さんは帰られたんですか?」
後ろから尚哉の声がし、鈴菜は振り返った。
見ると、尚哉が鈴菜のレーンの上にあるモニターを眺めている。