センセイと一緒【完】
「はい、弟さんがインフルエンザに罹ったらしくて、看病のため帰りました」
「そうですか。……しかしなかなか、刺激的なスコアですね?」
モニターを見つめながら、尚哉はテノールの声で言う。
その言葉に鈴菜はがっくりと肩を落とした。
刺激的って……。
尚哉はくすりと笑って言った。
「じゃあ僕が、柴山さんの代わりに投げましょうか?」
「……え?」
鈴菜は目を見開いた。
尚哉はこれまで引率で来てはいるが投げたことはない。
驚く鈴菜に、尚哉は笑って言う。
「一人で二人分投げるのは、森下さんも大変でしょう。……大丈夫ですよ、僕も多少、やったことがあります」