センセイと一緒【完】




言い、尚哉はボーリングの球を取り、アプローチに立つ。

唖然とする鈴菜の視線の先で、尚哉はしばし立ったままピンを見つめた後、軽く助走しボールを投げた。

その綺麗な姿勢はあの弓道場での雰囲気とどこか通じるものがある。

驚く鈴菜の前で、ボールはピンに当たり、全てのピンが倒れた。


「……え?」


これは、いわゆる。

ストライクというやつではないだろうか?


「白崎先生、すごいっ!」


思わず声を上げた鈴菜に、尚哉は少し笑った。

その穏やかで優しい笑顔に、なぜか鈴菜は胸がドキッとするのを感じた。


「さ、次は森下さんの番ですよ?」


尚哉に言われ、鈴菜はボールを片手にアプローチに立った。

……しかし結果は同じくガーター。

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