センセイと一緒【完】
はあ、と息をつく鈴菜の横に尚哉がボールを持って近づいてくる。
「森下さん。……森下さんはもう一つ、小さいボールの方がいいかもしれませんね?」
「えっ?」
「あと、持ち方ですが。中指をこうして、第二関節まで入れた方が安定しますよ?」
言いながら鈴菜の指を正しい持ち方に直していく。
指に触れる、尚哉の白く長い指。
少しひんやりしたその感触に鈴菜はドキッとした。
「……と、次は僕の番ですね」
尚哉は言い、ボールを片手にアプローチに立った。
……相変わらず綺麗なその姿勢。
そして。
尚哉のボールはピンを全て倒した。
再びのストライク。
「……」