センセイと一緒【完】
鈴菜は唖然として尚哉を見た。
ひょっとして。
尚哉がボーリング大会に参加しなかった理由は、生徒とでは勝負にならないからではないだろうか。
なんか、そんな気がする。
鈴菜はこの間の弓道場での尚哉の姿を思い出した。
考えてみれば尚哉は弓道も凄腕である。
尚哉は命中系の競技が得意なのかもしれない。
その後、二人は交互にボールを投げたが、尚哉は全てストライクで鈴菜はガーターもしくは端のピンが倒れるのみ。
しかし尚哉の驚異的な投球のおかげで、刺激的なスコアが、いつのまにか神懸り的なスコアに変わっていた。
10投が終わるころには部員も含め、周りにいた人々が二人のブースに群がっていた。
ゲーム終了後。
鈴菜は信じられない思いで、呆然と頭上のモニターを見上げていた……。