センセイと一緒【完】
3.忘れられない
ボーリング場からの帰り道。
鈴菜は尚哉とともにバス停への道を歩いていた。
鈴菜は知らなかったのだが、尚哉の家は鈴菜の家から徒歩15分ほどのところにあるらしい。
「じゃあひょっとして、バスも同じですか?」
「そうなりますね。時間帯が違うので森下さんに会ったことはないですが……。桜羽公園行きですよね? 違いますか?」
「あ、そうです! そのバスです」
鈴菜の言葉に尚哉はくすりと笑った。
あの日。
直樹に失恋した時、尚哉は何も言わず鈴菜を見守ってくれた。
――――白崎先生は本当に優しいんだな。
と鈴菜は心から思った。
「白崎先生」
「……はい?」
「あの。……この間は、すみませんでした」