センセイと一緒【完】

3.忘れられない




ボーリング場からの帰り道。

鈴菜は尚哉とともにバス停への道を歩いていた。

鈴菜は知らなかったのだが、尚哉の家は鈴菜の家から徒歩15分ほどのところにあるらしい。


「じゃあひょっとして、バスも同じですか?」

「そうなりますね。時間帯が違うので森下さんに会ったことはないですが……。桜羽公園行きですよね? 違いますか?」

「あ、そうです! そのバスです」


鈴菜の言葉に尚哉はくすりと笑った。


あの日。

直樹に失恋した時、尚哉は何も言わず鈴菜を見守ってくれた。

――――白崎先生は本当に優しいんだな。

と鈴菜は心から思った。


「白崎先生」

「……はい?」

「あの。……この間は、すみませんでした」

< 133 / 294 >

この作品をシェア

pagetop