センセイと一緒【完】
「次、黒瀬先生の授業でしょ? 妹の和泉がやってないなんて、いいの?」
「よくないからこうして頼んでるの! やってないなんてバレたら、後で兄貴に何言われるかわかったもんじゃない」
「……」
「頼むよ、鈴! 後でキスでもハグでもしてあげるから! この通り!!」
「キスもハグもしないと約束したら見せてあげるよ」
はぁとため息をつきながら鈴菜はノートを和泉に差し出した。
和泉は目を輝かせてノートを受け取り、ざっと目を通す。
目を通すだけでだいたいは分かってしまうらしい。
……ちなみに。
生物の先生は和泉の兄にあたる。
といっても異母兄妹で、小学校の頃に両親が離婚したため今は一緒には住んでいない。
やがて休憩時間が終わり、みな席についた。
チャイムの音とともにガラッと入り口のドアが開く。