センセイと一緒【完】
「その後に校外模試、そして3月は期末試験と春期講習、あと終業式だ」
柊史は言いながら黒板に手早く書いていく。
相変わらずの綺麗な文字だ。
鈴菜はノートを広げ、黒板の内容を書き写していった。
「こんなところか?……ああ、あとは席替えだな。早速するか?」
柊史の言葉に、クラスメイトの間から歓声が上がる。
鈴菜はシャープペンシルをぐっと握りしめた。
これでもう、直樹とは離れてしまう。
でも……仕方ないんだ……
と思い、ふと直樹の方を見ると。
「……?」
直樹がじっと鈴菜の方を見つめていた。
……その瞳に宿る、どこか苦しげな色。