センセイと一緒【完】



――――昔。

小学校2年の時。

直樹は一学期の途中から桜羽市の小学校に転入した。

アメリカに赴任していた両親とともに幼少期からアメリカにいた直樹は、日本の小学校に転入したものの、学校になじめず鬱々とした日々を過ごしていた。

そんな中。

明るく声をかけてくれたのが鈴菜だった。


『なおきくん、英語が読めるんだね。すごいね!』


鈴菜は覚えていないようだが、鈴菜のおかげで直樹はクラスに溶け込むことができた。

しかし鈴菜はその後すぐに父親の転勤で引っ越してしまった。

そして直樹も、鈴菜のことは温かい思い出として胸の奥にしまっていたのだが……


去年の四月。

鈴菜がクラスメイトになると同時に、想い出は別の形へと変わっていった。

昔と変わらない、鈴菜の純粋で澄んだ瞳。


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