センセイと一緒【完】



鈴菜の瞳を前にすると、なぜか胸が締め付けられるように痛んだ。

……そして数か月後。

直樹は自分が鈴菜に恋していることに気が付いた。


「鈴菜……」


――――四か月前。

9月に席替えした時。

鈴菜がいない日に敢えて席替えを実行したのは自分だ。

自分と隣の席番のくじを隠し、鈴菜が隣に来るようにした。

そして、鈴菜が学級委員になるよう誘導したのも自分だ。

他の委員を事前に打診しておき、学級委員しか残らないようにした。

……全ては、鈴菜に近づくためだ。


そして二学期の間に自分と鈴菜はだいぶ距離を縮めることができた。

少なくとも直樹はそう思っていた。

……けれど。


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