センセイと一緒【完】
声を上げる鈴菜の先で、和泉は膝上まで海に浸かり、背をかがめて水中ゴーグルで海の中を覗いている。
ちなみに和泉はラッシュトレンカを下半身に身に着けており、火傷の痕は見えない。
鈴菜は短パンに薄手のシャツという格好で海に入り、和泉の近くに寄った。
「ねぇ、なんだろうねこの魚?」
「すごくカラフルだね~」
白い海底に波模様が映る中、色とりどりの魚が二人の足の間を泳いでいく。
戯れるような魚の動きに二人は吸い寄せられるように海の中を眺めていた。
周りを見ると、他の生徒たちも砂浜で遊んだり海に浸かったりしている。
やはり泳ぐには寒すぎるらしく、みな普通の格好で浜遊びをしている。
「鈴、気を付けなよ? そこから先、ちょっと深くなるからね?」
「うん」
……と言ったのも束の間。
ずる、と足が滑ったかと思うと、鈴菜はバランスを崩してばしゃーんと倒れてしまった。
海底に尻餅をつき、呆然と顔を上げる。