センセイと一緒【完】



言い、鈴菜は踵を返した。

鈴菜の部屋は3階だ。

入浴は大浴場だが、部屋にも備え付けのシャワーブースはあったはずだ。

ちなみに女子の部屋は3階で、男子の部屋は2階、先生の部屋は1階となっている。

2階と3階の間の階段には、体育の須藤先生が一晩、見張りで立つらしい。

……噂だが。


鈴菜はブルブル震えながらホテルの中に入り、ロビーを横切った。

ロビーには何人か生徒たちがおり、ずぶ濡れの鈴菜を驚いたように見つめている。

鈴菜は足早に階段の方へと向かった。

さすがにずぶ濡れでエレベーターを使う勇気はない。

と、その時。


「……森下?」


ハスキーなバリトンの声が聞こえ、鈴菜はびくっと足を止めた。

見ると、柊史が1階の廊下の奥から歩いてくる。

柊史は鈴菜の格好を見、目を見開いた。

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