センセイと一緒【完】
「なんだ? お前、その恰好……」
「……」
なんだか説明するのも恥ずかしい。
着替えてくるので、と言って足早に通り過ぎようとした鈴菜の腕を、柊史がとっさに掴んだ。
「おい、どこへ行く気だ」
「どこって……」
部屋しかない。
見上げた鈴菜に、柊史は嘆息し呆れたように言う。
「……お前な。そんな妖怪みたいな姿のまま、3階まで行く気か?」
「……」
「来い」
言い、柊史は鈴菜の首の後ろをがしっと掴み、廊下の方へと連行する。
まるで文化祭の時のようだ。
どんどん歩いていく柊史に、鈴菜は首を振って抵抗した。