センセイと一緒【完】



<side.尚哉>



ホテルの1階。

修学旅行のしおりとクラス名簿を片手に廊下を歩いていた尚哉は、廊下の先から聞き覚えのある声がすることに気付き、眉を潜めた。

廊下の角を曲がると教師用の個室が並んでいる。

……誰だ?

と思い角を曲がろうとした尚哉の目に、信じられない光景が飛び込んできた。


『鈴っ!』


鈴菜の腕を至近距離で掴む柊史の姿。

そして。


『柊ちゃん……』


柊史を見上げる、鈴菜の姿。

鈴菜はなぜかずぶ濡れで、その華奢な躰のラインが露わになっている。

硬直する尚哉の視線の先で、二人は柊史の部屋へと入っていった。


「……どういうことだ?」

< 156 / 294 >

この作品をシェア

pagetop