センセイと一緒【完】




尚哉は呆然と呟いた。

二人で柊史の部屋に入った、ということもそうだが……

なぜ二人は下の名前で呼び合っているのか?

……しかも相当親密な呼び方だ。

柊史は普段、生徒を下の名前で呼ぶことはしない。

鈴菜も、いつもは柊史のことを『黒瀬先生』と呼んでいる。


「……っ」


胸の奥から黒いものが湧き出してくる。

それは痛みとともに尚哉の胸に広がっていく。

……二人は一体、どういう関係なのか。

尚哉は息を飲んだまま、二人が入っていった部屋のドアをじっと凝視した。



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