センセイと一緒【完】
尚哉は呆然と呟いた。
二人で柊史の部屋に入った、ということもそうだが……
なぜ二人は下の名前で呼び合っているのか?
……しかも相当親密な呼び方だ。
柊史は普段、生徒を下の名前で呼ぶことはしない。
鈴菜も、いつもは柊史のことを『黒瀬先生』と呼んでいる。
「……っ」
胸の奥から黒いものが湧き出してくる。
それは痛みとともに尚哉の胸に広がっていく。
……二人は一体、どういう関係なのか。
尚哉は息を飲んだまま、二人が入っていった部屋のドアをじっと凝視した。
<***>