センセイと一緒【完】
柊史はそれを眺めながら、教壇にバサッと資料を置いた。
「こんな環境で勉強って、お前たち正気か? 脳細胞が死んでくぞ?」
言いながら教科書を開き、脇にあった参考図書も開く。
鈴菜は慌てて教科書と問題集を開いた。
「……っと、宿題を出してあったな。まずは答え合わせからするか」
柊史は問題集を取り出し、パラパラっとめくった。
該当のところで手を止めて、問題集を開く。
「今日は何曜だ? ……火曜か。じゃあ適当でいいな。森下!」
突然呼ばれ、鈴菜はひぃっと背筋を伸ばした。
なぜ火曜だと適当でいいのか、そしてなぜ自分が当たったのかよくわからない。
しかし当てられた以上、答えないわけにいかない。
「一問目。淡水魚はどの器官を使って浸透圧を調整している?」
よりによって一番自信がない問題に当たるとは……。
鈴菜は自らの不運を呪いながら問題集をちらりと見、小さな声で言った。
「……副甲状腺?」