センセイと一緒【完】
夕刻。
夕陽に照らされたビーチの上で、一行はバーベキューに興じていた。
遠足や夏の林間合宿でも何度かバーベキューはやったことはあるが、こうして美しい夕陽を見ながらバーベキューをするのは初めてだ。
鈴菜は和泉とともに、カレーを作る係になっている。
野菜や肉を切る鈴菜の隣で、和泉が大きなお玉で鍋をかき回している。
「そろそろ沸いてくるかな?」
「和泉、タマネギ入れていい?」
「いいよー。どーんと来い!」
鈴菜はまな板を傾け、山のようなタマネギをざざっと投入した。
和泉は両手でお玉を持ち、鍋をかき回す。
「ルーは何箱だっけ?」
「5箱」
「……すごい量だね」
呟く鈴菜の横で、和泉がルーの箱を空けて次々とルーを投入していく。
やがて漂い始めたスパイシーな香りに、鈴菜は目を和めた。
カレーの匂いを嗅ぐとお腹が空いてくるのは気のせいだろうか。
などと考えていた鈴菜の視界に、見覚えのある長身が映る。