センセイと一緒【完】




「笠原君」


鈴菜の声に、和泉も一瞬手を止めて顔を上げた。

そんな二人の前に、直樹は笑いながら歩み寄ってくる。


「なんだかいい匂いが漂ってくるよ。美味しそうだね?」


直樹は目を細めてにこりと笑う。

鈴菜は直樹の目を直視しないよう、首元のあたりを見ながら言った。


「……もう少しでできるから。バーベキューの方はどんな感じ?」

「あぁ、もうだいぶ焼けてきてるよ。森下さんと芹沢の分も取ってあるから、安心して」


直樹の言葉に、和泉がその切れ長の目を細めて笑った。


「さすが学級委員長、抜かりないね」

「当然だろう?……ところで芹沢。20時からの自由時間だけど、2人一組でトランプのトーナメント戦をやるんだ。君も参加するかい?」


直樹の言葉に、鈴菜と和泉は顔を見合わせた。

バーベキューは19時までで、その後は20時までに入浴し20時から21:45まで自由時間となっている。

ちなみに就寝時間は22時で、この時間には各自の部屋にいなければならない。



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