センセイと一緒【完】
「僕も負けないよ。やっぱやるからには、勝ちたいしね?」
「笠原のペアは誰なの?」
「武田君。彼もなかなかの強者だよ」
くすりと直樹は笑う。
久しぶりに近くで見る、その笑顔。
鈴菜はドキッとしながらも、視線を合わせることなく目を伏せていた。
「じゃあ、また後でね」
「ああ」
直樹は手を振り、バーベキュー会場の方へと戻っていく。
鈴菜はしばしその背を眺めた後、まな板に視線を戻した。