センセイと一緒【完】

言いかけた鈴菜だったが、尚哉の表情を見、言葉を止めた。

……その、どこか辛そうな切なそうな表情。

なぜ白崎先生はこんな目で自分を見るのだろう。

鈴菜は不思議に思いながら、再び口を開いた。


「だって、もし私が……って思ったら……」


自分がもし村居さんの立場だったら耐えられないだろう。

想いを受け入れてくれないだけではなく、想いそのものを否定されるような、あんなことをされたら……

目を伏せた鈴菜に、尚哉は掠れた声で言う。


「もし、今のが村居さんではなく森下さんだったら。……多分僕は、森下さんが想像もつかないような反応をするでしょうね」

「え?」


尚哉の言葉に、鈴菜は目を見開いた。

どういうことなのだろうか。

驚く鈴菜に、尚哉は少し笑って言う。

その切なげな優しい笑顔に、鈴菜はなぜか胸が締め付けられるような気がした。