センセイと一緒【完】
あの日から尚哉の心にある、後悔と自責の念。
取り返しのつかない言葉。
もう戻らない、優しかった日々。
――――君に会いたいと。
傍にいて欲しいと素直に言えれば、あんな思いをしないで済んだのかもしれない。
「鈴菜……」
今はただ謝りたい。
……あの日のことを。
もう一度、笑ってほしい。
あの笑顔を自分に見せて欲しい。
尚哉は夜闇に浮かび上がる桜の花を見上げた。
……綺麗になった鈴菜。
初めて会った日から全く変わらない、あの澄んだ純粋な瞳。