センセイと一緒【完】
鈴菜は手札を持ち直し、はぁと息をついた。
そんな鈴菜のカードを和泉が横から覗き込む。
「……ふむふむ、なるほどね」
抜けた人はパートナーのカードを覗き助言しても良いというルールがあるらしく、和泉は鈴菜のカードを横からじっと見つめている。
しばし見つめた後、和泉はその白い指をカードに伸ばした。
「……鈴、次はこれだよ」
「え? これ?」
「で、次はこれとこれで……」
和泉の指示に鈴菜は目を見開いた。
和泉の指示はどれも、鈴菜が思いもよらないような『そんなことするの!?』というレベルのものだ。
内心で唖然とする鈴菜に、和泉がこそっと言う。
「ちなみにこれはね。兄貴が昔、よく使った手さ」
「……」
「あたし以上に悪どかったからねー、兄貴は。血も涙もないって、まさに兄貴のことだよ」