センセイと一緒【完】
……なぜ、笠原君が……
と思ったその時。
布団の外から和泉の声がした。
「鈴? ……どこ行ったの、鈴っ?」
こそっと呼ぶ声。
鈴菜ははっと我に返り、慌てて布団から抜け出した。
「やばかったねー、焦ったよマジで」
「……」
「武田がトイレに行くついでに先生の目を引いてくれるらしいから、その隙に戻るよ! さ、行くよ、鈴!」
言い、和泉は鈴菜の手を引いて部屋を出る。
鈴菜は真っ赤な顔で、口元を押さえてその後に続いた。