センセイと一緒【完】



鈴菜は和泉に続き、3階の女子の部屋にこっそりと戻った。

ちなみに女子の部屋は5人部屋で、出席番号順、つまり苗字順に分かれている。

そのため、鈴菜と和泉は同室ではなく、和泉は隣の部屋になる。


部屋に戻った後。

鈴菜は布団の上で呆然と座っていた。

さっきのは一体何だったのか。

突然のことだったのでよくわからないが、あれは確かにキスだった……と思う。

そして……


『……鈴菜』


耳元で囁かれたテノールの声。

これまで直樹は鈴菜のことを苗字で呼んでいた。

あんな風に名前で呼んだことはない。


「笠原君……」



< 186 / 294 >

この作品をシェア

pagetop