センセイと一緒【完】
鈴菜は和泉に続き、3階の女子の部屋にこっそりと戻った。
ちなみに女子の部屋は5人部屋で、出席番号順、つまり苗字順に分かれている。
そのため、鈴菜と和泉は同室ではなく、和泉は隣の部屋になる。
部屋に戻った後。
鈴菜は布団の上で呆然と座っていた。
さっきのは一体何だったのか。
突然のことだったのでよくわからないが、あれは確かにキスだった……と思う。
そして……
『……鈴菜』
耳元で囁かれたテノールの声。
これまで直樹は鈴菜のことを苗字で呼んでいた。
あんな風に名前で呼んだことはない。
「笠原君……」